食育ソムリエのおべだふり〜タンパク質危機と昆虫食
- 2024年02月08日(木) 10時41分20秒
- 食育ソムリエのおべだふり
- なし
なぜ昆虫食が注目されているのか?
きっかけは2013年に国連食糧農業機関(FAO)が公開した「食品及び資料における昆虫類の役割に注目した報告書」です。2050年の世界人口が約100億人と予想されており、食糧や水などの確保や環境問題の対策として、昆虫食を推奨するものでした。- 2030年には世界人口は90億人になるとされ、これほどの人口を支えるためには何億頭もの家畜の飼育が必要となりますが、このままではこれら動物性タンパク質の需要と供給が逆転すると予想されています。これを「タンパク質危機」と言い、世界中で問題視されています。
- 昆虫食には、魚や肉以上の良質なタンパク質が3倍以上も含まれています。さらには食物繊維、銅、鉄、マグネシウム、マンガン、リン、セレン、亜鉛などの栄養素も多く含まれています。
- 家畜の大量飼育は、広大な敷地と大量の飼料が必要となり、森林破壊や環境汚染につながる恐れがあります。水産業でも、過剰に漁獲したりして海洋生物の存続が危ぶまれています。しかし昆虫食は家畜や水産に比べて飼育時の環境負荷が軽く、持続可能な食文化となり得ます。
世界の昆虫食
世界には昆虫食がスタンダードな国もあります!
タイ
タイではバッタ・スズメバチの幼虫など様々な昆虫が食べられていて、タンパク源としてはもちろん、都市部ではおやつとしても親しまれています。一番の人気はコオロギで世界に先駆けて食用昆虫としての養殖に取り組んでいる。
ベトナム・ラオス
コオロギがスタンダード食になっており、ホーチミン市内にはコオロギ料理が食べられる店が数件あり、人気が広がりつつあります。養殖事業も盛んで、レストランに卸したり、販売したりして生計を立てている人もいます。
メキシコ
部族ごとに昆虫食の伝統があり、昔は約230種類の昆虫を食用にしていたといわれています。現在でも露店でバッタのスナックが売られていたり、タコスやトルティーヤの具材にすることも多く、レストランでも使われています。
アフリカ
地域や部族によって違いはありますが、アリやイモムシなど多種多様な昆虫が常食とされています。昆虫食産業としては発展していませんが、都市部を中心に昆虫食の需要が増えている。
なぜコオロギが特に注目されているの?
①雑食で育てやすい②1kgのタンパク質減を生産するのに必要な飼料や温室効果ガスの排出量が牛や2豚などと比較してはるかに少なく環境にやさしい。
③高たんぱくであることに加え、亜鉛・鉄分・カルシウム・マグネシウムなどのミネラルやビタミン、不飽和脂肪酸を豊富に含んでいる。
④他の虫に比べ生育が早く大量生産に向いている。
実食レポート
今回はネットショップで購入したコオロギを実食。なんとなく見た目で抵抗がありますが、加熱処理後、高温乾燥して塩をふっている商品で、私でもこれなら食べやすいかな、と挑戦してみました。味は煮干しのような感じで、不味いわけでもなく、特別美味しいわけでもなかったです。(笑)皆さんも一度試してみてはいかがでしょうか?- カテゴリー
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